声優・白石冬美さんが父親から教わった魔法の健康ドリンク「酢卵」

◇「ぜひ飲みなさい」という遺言

静岡で内科の開業医をしていた、声優・白石冬美さんの父親が亡くなって、30年以上の歳月が流れました。

白石さんのもとに父から届いた最後の手紙。

「体にいいから、ぜひ飲んでみなさい」

そう書かれていたのが、「酢卵」でした。白石さんの父親は、この手紙を書く4年前から、肺気腫(肺の弾力性がなくなって起こる病気)を患い、ほとんど寝たきりの生活を送っていました。

酢卵は、看病をしていた母が、看病疲れをしたときに飲んで元気になった、「魔法のドリンク」だったのです。

そんな酢卵の作り方と効用を書いた手紙を、白石さんと3人の妹たちに1通ずつ、病床から送ってくれたわけです。ちなみに、酢卵の説明がびっしり綴られた手紙は、今でも保存してあります。

白石さんの父親がいつ、どこで、この酢卵を知ったのかはわかりません。後年、白石さんの父親は、医師の仕事のかたわら、民間療法について、いろいろ調べていました。

白石さんの父親が知り得た、たくさんの民間療法の中でも、娘たちに最も伝えておきたかったのが、この酢卵だったのでしょう。

◇乳酸菌飲料で割って飲んだ

手紙には、作り方や飲み方とともに、調べた酢卵の効用も具体的に書かれていました。

それは、動脈硬化、高血圧、肝臓病、糖尿病、胃下垂、リウマチ、便秘などです。

これらの効用には、「酢卵が血液の酸化を防ぐ」という、医師だからこその説明も添えられていました。

酢卵は、父親の遺言として、白石さんたち姉妹の中に刻まれました。

父親の死後、とりわけ長女の白石さんは、父を亡くしたさびしさが心にこたえましたが、なんとか元気になろうと、酢卵を飲み始めたのです。

手紙に書かれていたとおりに、広口のびんに米酢1合(180ml)を入れ、そこに、きれいに洗った殻つきの卵1個を漬けました。

そして、常温で1週間から10日ほど置いておくとの手紙に書いてあったとおりに、卵の殻が酢に溶けて、なくなっていました。

 

 

あとは、卵の表面の薄皮を破って取り出し、残った白身と黄身を割りばしでかき混ぜ、冷蔵庫で保存します。

手紙には、「これを1日1回、さかずき1杯ほどの量を食後に飲みなさい」と書かれていました。そのとおりに飲んでみましたが、原液のままでは、酸味が強過ぎて飲めません。

もう一度、手紙を読み返してみると、ハチミツや乳酸菌に混ぜて飲むと飲みやすくなる、ということも書かれていたのです。白石さんは、こんな細かい気遣いにも、父親の愛情を感じました。

白石さんは、市販の乳酸菌飲料を混ぜようと思いました。しかも、6パックで売られている乳酸菌飲料が、ちょうど1回ずつ使えることを発見。さかずきに1杯の酢卵を、1本が65ml入りの乳酸菌飲料割って飲むことにしたのです。

乳酸菌飲料を混ぜると、酸っぱさが気にならなくなり、味がまろやかになって、飲みにくさがほとんどなくなります。一転して、酢卵がおいしく飲めるようになったのです。

◇酢卵と父の愛情に守られて元気

数カ月間は、酢卵を作り続けました。白石さんはそれを、父親の「心」を飲むようなつもりで毎日欠かさず続け、少しずつ元気な自分を取り戻していったのです。

酢卵を飲み続けて元気になってからは、日によって飲んだり、飲まなかったりと、体調に合わせて活用するようになりました。

仕事が忙しくなって、疲れが抜けないと感じるときや、胃の調子が悪くなりそうなときには、早めに酢卵を作って飲むようにしました。

酢卵は、お金をかけずに身近な材料で簡単に作れるところもいいと思います。

もともと丈夫とはいえ、年齢を重ねても血圧や血糖値が上がらず、そのほかの生活習慣病にもならないのは、ときどき活用している酢卵のおかげかもしれません。

◇東京医科歯科大学 藤田紘一郎先生の解説

酢卵には、エネルギーの産生を促す酢と、血管の新陳代謝を促す、卵の効果が期待できます。

卵の殻のカルシウムが酢に溶け込むと、体内で吸収、利用されやすい酢酸カルシウムになり、骨や皮膚を丈夫にします。これらの効果が、元気で若々しい体づくりに役立ちます。

酢卵の常飲で全身の新陳代謝が保たれると、抵抗力が高まり、血液の酸化も防いで、動脈硬化や高血圧といった多くの病気が予防されるのでしょう。