酒かすの効能

酒かすとは、日本酒の醸造過程で、酒のもろみを搾った後にできる、いわば”残りかす”です。しかし、その残りかすである酒かすには、米由来、麹・酵母由来の有用産物が豊富に含まれています。つまり、酒かすは薬効成分の宝庫なのです。

酒かすには、高血圧、肝臓病、心臓病、脳卒中、糖尿病、ボケ、骨粗しょう症(骨がもろくなる病気)、腰痛、ひざ痛、肩こり、うつ、精力減退、肥満、便秘など、さまざまな病気や症状の予防・改善に効果を発揮する、いくつもの薬効成分が含まれています。さらに、酒かすは、美白成分や保湿成分も多く含むので、肌を白くしたり、シミ、ソバカス、肌の乾燥、シワなどを予防・改善したりする効果にも優れているのです。

酒かすに含まれるたんばく質がアミノ酸に分解される過程で、オリゴペプチドという物質が作られます。このオリゴペプチドは、ペプチドの一種で、血圧上昇に関連するアンジオテンシン変換酵素の働きを阻害してくれるので、血圧降下に有効なのです。

また、新鮮な酒かすには、現在注目されているS-アデノシルメチオニン(SAMe)という物質が含まれています。この物質は、醸造にかかわる酵母によって作られます。

アミノ酸の一種であるメチオニンの活性型の物質で、関節炎の緩和作用、肝臓の保護作用・機能向上作用、慢性疲労の媛和作用などがあるのです。SAMeは、脳内の神経伝達物質の合成を促進してくれるので、ボケ(認知症) の予防や、うつ病の予防にも有効です。

酒かすには、認知症予防のほか、脳の活性化に役立つ有効な成分も多く含まれます。

老人性認知症の多数を占める脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり、破れたりして、脳の組織の働きが阻害されて起こるので、血栓(血液の塊)や動脈硬化を防いで、血流をよくすることが大切です。酒かすには、血栓を溶かす酵素のウロキナーゼが含まれているので、いわゆる血液サラサラ効果が得られ、血流が改善されるのです。

一方、アルツハイマー型認知症には、酒かすに含まれるペプチドが有効なのではないかとされています。大脳で、学習能力をつかさどるバソプレッシンというホルモンが分解されると、記憶や学習能力が低下します。酒かすには、この分解にかかわる酵素の作用を抑える、3種類のペプチドが含まれるという研究成果もあるのです。